
The surprising story of medical marijuana and pediatric epilepsy | Josh Stanley | TEDxBoulder
こちらもTEDで見つけました「医療大麻と小児てんかんについての驚くべき話」。
医療大麻と小児てんかん:希望をもたらした意外な物語
2010年、コロラド州の医療大麻法制化に関わっていたジョシュ・スタンレーは、当初、この法律が主に娯楽目的で使用されることに失望を感じていました。しかし、その経験が彼を重度のてんかんであるドラベ症候群を患う少女、シャーロット・フィギとの出会いへと導くことになりました。
シャーロットは週に何百回もの発作に苦しみ、数々の薬物療法も効果がありませんでした。厳しい予後に直面した彼女の家族は、代替療法を探し求めていました。大麻栽培の経験を持つスタンレー兄弟は、CBDと呼ばれるカンナビジオールが高く、THC(テトラヒドロカンナビノール)が低い独特の大麻品種の開発に取り組みました。「シャーロッツ・ウェブ」と名付けられたこの品種は、シャーロットの発作を劇的に減少させ、彼女の生活の質を大きく改善したのです。
スタンレー兄弟は、この治療プログラムへのサポート、教育、アクセスを提供するため、非営利組織「レルム・オブ・ケアリング」を設立しました。同様の成功を収めた40人以上の小児患者の治療実績を重ね、現在では他の州にもその活動を広げています。ドラベ症候群を持つザカイ・ジャクソンも、発作が著しく減少した症例の一つです。
CBDの科学的な作用について、研究では強力な抗炎症作用と神経保護作用が確認されています。脳細胞の受容体に作用することで発作活動を抑制し、脳の修復を助ける可能性があるとされています。さらに、PTSD、偏頭痛、うつ病、神経変性疾患などの様々な症状に対する潜在的な効果も示唆されています。
しかし、医療大麻を取り巻く課題はまだ残されています。スタンレーは、医療大麻に対するスティグマ(偏見)の克服の必要性を強調します。治療へのアクセスに関する移動制限や法的障壁など、多くの家族が直面する課題を指摘し、この潜在的な救命療法へのアクセスを容易にするための法改正の緊急性を訴えています。
彼の講演は、思いやりの重要性と子どもたちの幸福を優先する必要性について力強いメッセージで締めくくられました。より多くの人々が必要な医療大麻にアクセスできるよう、政策変更を求める活動の重要性を訴えかけています。
シャーロット・フィギの物語は、重度のてんかんを持つ子どもたちの生活を大きく改善する医療大麻の可能性を示しています。シャーロッツ・ウェブの開発は、科学的研究と思いやりのあるケアの重要性を強調するものとなりました。そして、必要とする全ての人々がこの治療法にアクセスできるよう、偏見や法的障壁を乗り越えていくことが今後の課題となっています。
医療大麻を取り巻く議論は今なお続いていますが、重篤な症状に苦しむ患者たちに新たな希望をもたらす可能性を秘めているのです。